うつ病 と こころ

目次

1 はじめに

今回は、私の うつ病 体験をとおして うつ病 の表面的な事柄だけでなく、もう少し掘り下げて こころ の状態がどういう状態になっているのかを精神分析学や心理学の観点から探ってみます。

うつ病 の 発症から寛解 までの道のり、そして、うつ病 を 二度と再発させないための工夫などについても今後書いていく予定でいます。
この連載記事をとおして、うつ病 患者さん や 双極性障害 の患者さん に少しでも役に立てられれば幸いです。
 
うつ病 の詳細については、こちら を参照。

2 こころ の 地図

私たちの こころ はどんなものなのでしょうか?
これまで多くの学者が こころ を解明するために様々な研究をされてきました。中でも フロイト は、自我心理学における構造論の観点から「心の地図」を用いることにより、様々な精神疾患の解明を行いました。
 
こころ を構造論から心的装置(フロイト, 1933)としてを表したのが下の左の図です。下の右の図は、「心の地図」(前田重治, 1978)です。
 
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イド、自我、超自我の詳しい説明は こちら を参照。
 

3 うつ病

上の図から言えることは、うつ病 は、 自我の分裂・衰弱・無力化(自我の歪曲した人格障害) であると言われている。
精神病との境にある うつ病 は 境界例人格障害 とも言われている。(前田重治, 1978)

4 私の うつ病 経験から言えること

 
難しい話しは置いておくとして、うつ病 になると こころ の状態はどのようになるのかを以下に私の経験を元に簡単にまとめました。
 

4.1 自分中心

所謂、 自己中 です。すべてにおいて自分の思い通りにならないと気が済まない状態になります。 自己中心的な考え方や行動 になります。
ただ自己中心的だけならまだマシかもしれませんが、うつ病患者 の場合、多くはそれに 否定的な考え方 が加わります。人の言うこと、やる事すべてにおいて否定的になります。
そして、自分自身を愛することができないため 自己否定 を行い 自殺企図 を考えるようになってしまいます。

4.2 なげやりになる

「もう、どうでもいいや」、「やっても無駄」、「そんなもん価値がない」 など、さまざまな否定的な言葉を口にするようになります。そして、人と会うことや会話をすることさえも 「どうせ会っても無駄」 のように口にしていただけの症状から行動へと変わっていきます。人と会うことや会話することさえも 億劫 になっていきます。
 

4.3 喪失感と怒りが増強する

なげやりな状態が始まる頃から 喪失感怒り だけが 日増しに増強 していきます。 「何をやっても駄目なんだ」、「この世の中が悪い」、「自分は生きている価値の無い人間なんだ」 などネガティブな言葉だけが頭の中に残ります。そして、 悲しみに暮れては、自分の思い通りにならないことに対して怒りを増していきます。
 

4.4 超自我が強すぎる

私たちの こころ の状態は、エス、超自我、自我の3つがバランスが取れていることにより健全な生活が出来ます。どれか一つでも強すぎると バランスを崩して病気 になります。
 
超自我とは、幼少期の両親の躾の内在化されてできた領域です。 「~してはならない」、「~するべきである」、「~であれ」 など家訓のような 規則(ルール) を幼少期に学びます。その 超自我が強すぎる と、 完全欲的な行動や性格 になり 理想を追求する完璧主義者 になってしまいます。一方で 抑圧的、自己懲罰的、良心的な性格の持ち主 となることが、これまでの研究から知られています。
 
このように私自身も完璧主義者でした。些細なことでも神経注ぎ 完璧にしなければ気が済まない性格 の持ち主であったことが、うつ病 のきっかけになっていたものだと思われます。

4.5 思考が変わる

上述したとおり、自己中心的になったりなげやりになったりすることにより、喪失感や怒りが増しますが、これら共に 思考も変化 していきます。まず最初に現れるのが 集中力が途切れる ようになってきます。物事をすすめていても集中力が持続できない状態に陥りました。そのため、簡単な事でもミスを繰り返すようになってしまいました。さらに進むと 意欲そのものが薄れてきます。 さらに症状が悪化していくと、 集中力=ゼロ意欲=ゼロ の状態になります。この時は何かを考えることさえも出来ない状況に陥りました。 
 
そして、うつ病患者にみられる思考の特徴の一つとして、「良い」・「悪い」、「できる」・「できない」のようにすべての事柄を 2値化する思考癖 があります。私の場合も同様に物事をそのように捉えていました。

4.6 欲がなくなる

地位や名誉、自分が他の人に認められたいという承認欲求や物欲などをはじめ食欲や睡眠欲、性欲など、 あらゆる欲求が停止 した状態に陥りました。

4.7 感情がなくなる

美しいものを見てもなんとも感じない、人が面白い話しをしても笑わない、悲しい出来事があっても悲しくない。このように日常的に感動する場面があっても 何も感じなくなってしまいます。

4.8 未来の不安

うつ病患者の多くの人たちは、 未来に対する不安や葛藤を抱きます。 未だ何も起きていない現在の時点で未来の出来事を予測し、悲観的に考える思考癖があります。 ここから喪失感が生まれてきます。

5 再発防止は自分を知ることが大切

うつ病を患っている時に深く考えることはできませんので、寛解時期に達してからゆっくり時間を掛けて自分自身を知り、自分はこの人生の中で何をしたいのか?を探ることはとても重要なことだと考えます。
参考情報として、こちらこちら に詳しく書きましたので参考にしてみてください。

5.1 間違っている規則(ルール)を修正する

上述していますが、 うつ病 の原因 の一つとも考えられているのは、 「超自我が強すぎる」 、または、 「超自我が強い」 の何れかにより発症すると考えられています。即ち、幼少の頃にインプットされた 規則(ルール) に基づいた思考や行動をとることによって 矛盾や葛藤 が生じて自己中心的な思考に陥ることによって、上述したとおりのさまざまな変化が生じて うつ病 に発展していくことと考えます。
 
このようなことから、うつ病 を発症させないプロセスを想定することも可能です。つまり、理論的には超自我・自我・エス がいつも正しくバランスされていれば良いので、うつ病経験者の私は自分なりに超自我が強くならないように心がけていけば再発が防げることになります。
 
では、どうやって 超自我・自我・エス をバランスさせるのか?という疑問が湧いてきます。手っ取り早いのは、自動思考 を修正することです。こちらも参照
つまり、自分自身の日常生活における思考の癖を知ることにより、その思考を修正していくことです。

こちら では、一般的な認知行動療法だけでなく、超越した精神療法を取り入れることにより自動思考を完全に修正することが可能です。
私自身が何度も うつ病 を繰り返してきた経験から開発した療法です。二度と再発させないための療法を開発しました。

5.2 生活習慣を修正する

自動思考や信念は、自身の経験や体験をもって良い経験も悪い経験も蓄積されていきますので、生活習慣を修正することにより、思考の規則(ルール)が変化し、自動思考そのものが修正されていきます。

5.3 自分中心から他者中心へ

うつ病患者は、自己中心的な思考をもつことが知られていますので、自己中心的な考え方を捨て、他者への思いやりや優しさを優先して考えられるような行動や思考に変化することにより再発を防止します。
 

6 ホームページについて

このホームページは、うつ病の精神治療法を研究するための私自身のためのサイトです。私自身が覚えることが苦手、且つ、忘れっぽい性分なので備忘録として主に以下の内容のものを扱っています。どこにいてもこのホームページを閲覧することができるようにという目的でこのホームページを作りました。
 
 
ホームページの作成には、Emacs 25.1.1 を使い org-mode により HTML を生成しました。Emacs を使った理由として、Mac , Windows , FreeBSD などOSを問わずに編集出来ること、また、日頃の文書作成も Emacs を使っているため慣れ親しんだツールを使うことが何よりも使い易いためでもあります。このホームページは、大学、大学院で学んだ事柄を中心に私自身が日々の研究のために忘れないようにするための私自身の備忘録、或いは雑記帳の様なものですので、記載されている事柄について十分な確認や検証をしたものではありません。
 
 

  • 患者様のための情報提供サイトではありません。
  • 医師、看護師、その他の医療従事者のための情報提供サイトではありません。
  • 研究者、大学教職員、大学院生、学生のための情報提供サイトではありません。

 
 
したがいまして、このサイトは私のためのネットノートなので、読みにくかったり誤りもあるかもしれません。
その際はご指摘いただけると嬉しく思います。
このホームページに掲載している図表、画像、文章に関しての転載、複写は自由ですが、いかなる結果が生じても責任を負えませんことを予めご承知おきください.
 
 
なかなか、まとめが進んでおらずリンクが機能していないページがあったり、書きかけのページがあったりします. 日々、アップデートしております.

[2017-03-06 月] org-mode のバージョンが 8.3.6 から 9.0.5 へバージョンアップしました. 
 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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7 参考文献

前田 重治. (1996). 図説 臨床精神分析学: 株式会社 誠信書房.
前田 重治. (2003). 続 図説 臨床精神分析学: 株式会社 誠信書房.

著者: Satoshi Takemoto Satoshi Takemoto

Created: 2017-03-26 日 18:46

Emacs 25.1.1 (Org mode 9.0.5)

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