精神療法 第42巻第4号 から学んだこと

目次

1 はじめに

「精神療法」第42巻第4号 の 特集『マインドフルネスを考える、実践する』を読んで学んだ点や気が付いた点などについてメモとして残す。

2 マインドフルネスを考える

2.1 マインドフルネスと無心

2.1.1 マインドフルネスとは

 

マインドフルネス(mindfulness)とは、「意図的に、判断を加えることなく、今この瞬間の体験に注意を向ける」という特殊な注意の払い方であるとされている.
 
だから、マインドフルネスは時には bare attention (「ありのままの注意」の意.身(おこない)・口(ことば)・意(おもい)においてリアクションを起こすことなく、今ここで体験しているありのままの事実(bare facts)に向けられる注意)ともよばれる.

2.1.1.1 注意の能力の習得

 
この様な注意の能力は、個人のコーピング・スキル(対処技能)として、特定のプログラムにしたがってシステマティックに訓練することにより習得可能である.
 

2.1.1.2 臨床現場での実績
  • ペイン・マネジメント(痛みのマネジメント)、依存症からの回復、ストレスマネジメント、心理療法の効果の向上と言った有効な効果が得られているということが科学的にある程度証明されてきている.

 

  • 臨床心理、精神医療、教育、福祉、スポーツ、ビジネス、軍事といった社会のあらゆる側面に応用が可能である.

 

2.1.2 マインドフルネスと無心の意味

マインドフルネスは mind (心) + ful(~に満ちている) + ness (性質、状態)という合成語であるから、「心が一杯に満ちた(満たされた)状態」という意味.
 
無心は no(無い) + mind (心)であるから、「心が空っぽの状態」ということになる.
 
「無心」と「マインドフルネス」は対称的な言葉に見えるが、果たしてどうなのだろうか?

2.1.2.1 無心とは何か

三省堂の大辞林には仏教的な意味として、以下の様に書かれている.
 

  • 一切の妄念から解放された心。 ↔ 有心(うしん)

 
有心の意味は次のとおり.
 

  • 執着する心をもつこと.有所得(うしよとく)の心のあること.妄念.

 
執着の意味は次のとおり.
 

  • ある物事に強く心がひかれること。心がとらわれて,思いきれないこと。

 
 
つまり、「無心」とは、仏教的には以下のような意味をもつ.
 
名誉や地位や財産などに心がとらわれていない開放された心の状態が無心.
これをもう少し詳しく見ていくと、名誉や地位や財産もすべて自我の上に成り立っている.この自我により執着している状態から離れ、何にもとらわれない、あるがままの状態と言うべきものであると考えられる.
 

2.2 マインドフルネスとあるがまま

 

マインドフルネスそれ自体は、上座部仏教の実践の一つである瞑想法であり、東洋的、あるいは仏教圏内に属する人間理解や気付きの実践法である.

 

2.2.1 マインドフルネスの臨床的な意味づけとの対比

精神療法という臨床的営みに即して考えたときに、臨床にマインドフルネスの概念を取り入れる場合、押さえておきたい点が多々ある.
森田療法の「あるがまま」とマインドフルネスの比較について、以下に主要な点のみを列挙しておく.
 
mindfulness.jpg
 

  • マインドフルネスという経験は、左の肥大した自己意識をもった自己のあり方から、右の自己意識と体、内的自然が調和している自己のあり方への転換がなされる必要がある.

 

  • これがなされるためには、ある重要な心的契機が必要.

 

  • つまり、心的契機がないままでは、気付きやあるがままの状態に到達することは出来ない.

 
自己意識を削り取ることにより、あるがままmマインドフルネスに至れる.
 

3 参考文献

熊野 宏昭, 伊藤 絵美, & 杉山 雅彦 (編). (2016). 臨床心理学第16巻第4巻 - 認知行動療法を使いこなす. 金剛出版.

4 ホームページについて

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著者: Satoshi Takemoto Satoshi Takemoto

Created: 2017-10-17 火 23:38

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