うつ病 と 思考

目次

1 はじめに

ここでは、うつ病 と 思考の癖 について書いています。
 
うつ病 の 発症から寛解 までの道のり、そして、うつ病 を 二度と再発させないための工夫などについても今後書いていく予定でいます。
この連載記事をとおして、うつ病 患者さん や 双極性障害 の患者さん に少しでも役に立てられれば幸いです。

うつ病 の詳細については、こちら抑うつ の パラドックスを参照。

2 無気力が押し寄せてくる

私の場合、これまで3回の うつ病 (反復性うつ病性障害)を経験していますが、回数を重ねるごとに症状が重くなっていきます。
日々のストレスが蓄積されていくにしたがって、食欲、性欲、物欲などの欲も失われました。そして、感情そのものも無くなるような状況に陥りました。
さらに、このような状況が更なる悪化を招きます。

3 喪失感とともに更なる悪化

何もかも失ってしまった感覚に陥ります。
社会的立場、地位、目標、愛情などこれまで大事にしてきた自分の価値観そのもが失われていくような状況に陥りました。多くの研究から次のようなことがいわれています。
 

重要な対人関係や職業、または他の活動の中で現実と予測とのギャップを繰り返し体験しているうちに、次第に抑うつ状態が強まってくることがある。簡単に言えば、喪失感は非現実的な高い目標と誇大的な予測の結果生じてくることがある。

 
つまり、すべてにおいて否定的に物事を捉え、自らが行動や目標との乖離を作ってしまい、悩みを抱え、自らが苦しむ状況に陥ります。
このような状況になっても「自分自身は常に正しい」という思い込みだけが継続します。
ものごとを肯定的考えることが出来なくなるということは、喪失感が大きくなることを意味します。ついには自分自身をも否定するような状況に陥ってしまいます。これが うつ病 の一番怖いことで、自己否定をするようになると自殺企図などを考えるようになります。
 

4 認知

うつ病患者に特有な以下に示すような 「認知の3要素」 というものがあります。
 

  • 過度の自責感や罪悪感といった、自己に対する否定的な考え方や見方
  • ペシミズムを代表とする自己を取り巻く世界に対する否定的な考え方や見方
  • 絶望感を中心とした将来に対する否定的な考え方や見方

 
この 「認知の3要素」を満たさなければ うつ病 になることはないと言えます。つまり、否定的な考え方や否定的な捉え方を排除すること。要は「認知」を修正することが うつ病 治療には必要です。

5 思考の癖

思考の詳細は こちら を参照。
 

5.1 否定的な感情

人が何かしようとする時やある出来事に遭遇した場合、状況に応じて自動思考というものが働きます。
自動思考は人が考えたりするのではなく瞬間的に短時間の間に沸いて出てくるものです。そして、この自動思考を元に行動しているのです。
結果として、私たちは自動思考が正しいものとして疑いなく行動しているわけです。

うつ病になる原因が仮に自動思考にあるとすれば、以下のような過程をとおしてうつ病になるのではないかと考えられます。
 
 自動思考 → 行動 → 抑うつ → うつ病
 
この過程がループになって繰り返されることにより、さらに悪化していくと考えられます。
そうすると、否定的な思考や感情は、自動思考そのものに問題があるのではないかということが解ります。

5.2 自動思考の癖

うつ病患者の自動思考の癖 でも書いていますが、うつ病患者の自動思考の癖には以下のようなものがあります。
 

  • 自分にはできない
  • 自分は無能
  • 親や夫 (妻) として失格

 
このような自動思考の癖の背景となっているものが、高い目標を掲げてしまうことです。最初のうちは、高い目標を掲げても周囲の協力と共に適切に処理しながら解決できるのですが、周囲の考えや意見に対して否定的に捉えるようになっていきます。否定的に捉え続けていくうちに上記のような状況になっていき、遂には「自分は無能」という自動思考が生まれてくるのです。
 
そして、何よりも思い込みが激しいのが特徴です。「~しなければならない」とか「~すべき」という考え方をするのが うつ病患者の特徴かもしれません。これは、乳児~幼少の頃の親の躾や教育に影響していると思われます。発達過程:フロイト の 発達論の考え方 参照。
 

5.3 信念

自動思考が人によって異なるということは、一人ひとりの信念が異なるからに他なりません。この信念は、人の経験によって生まれてくるものです。つまり、正しい経験だけではなく、誤った経験も含めて信念として蓄積されていきます。このように経験をとおして自分自身の信念が生まれため、経験そのものが人の思考に影響を与えることになります。
 
この信念には大きく分けると2つあります。一つは媒介信念とよばれるもので、経験から導かれた規則(ルール)的な信念です。そして、二つめは中核信念と呼ばれるもので、信念のコアになるものであるといわれています。
 
 中核信念 → 媒介信念 → 自動思考 → 行動 → 抑うつ → うつ病
 
このような事から、自動思考を発生させる信念を変えることにより自動思考そのものも変えることが可能です。

6 ホームページについて

このホームページは、うつ病の精神治療法を研究するための私自身のためのサイトです。私自身が覚えることが苦手、且つ、忘れっぽい性分なので備忘録として主に以下の内容のものを扱っています。どこにいてもこのホームページを閲覧することができるようにという目的でこのホームページを作りました。
 
 
ホームページの作成には、Emacs 25.1.1 を使い org-mode により HTML を生成しました。Emacs を使った理由として、Mac , Windows , FreeBSD などOSを問わずに編集出来ること、また、日頃の文書作成も Emacs を使っているため慣れ親しんだツールを使うことが何よりも使い易いためでもあります。このホームページは、大学、大学院で学んだ事柄を中心に私自身が日々の研究のために忘れないようにするための私自身の備忘録、或いは雑記帳の様なものですので、記載されている事柄について十分な確認や検証をしたものではありません。
 
 

  • 患者様のための情報提供サイトではありません。
  • 医師、看護師、その他の医療従事者のための情報提供サイトではありません。
  • 研究者、大学教職員、大学院生、学生のための情報提供サイトではありません。

 
 
したがいまして、このサイトは私のためのネットノートなので、読みにくかったり誤りもあるかもしれません。
その際はご指摘いただけると嬉しく思います。
このホームページに掲載している図表、画像、文章に関しての転載、複写は自由ですが、いかなる結果が生じても責任を負えませんことを予めご承知おきください.
 
 
なかなか、まとめが進んでおらずリンクが機能していないページがあったり、書きかけのページがあったりします. 日々、アップデートしております.

[2017-03-06 月] org-mode のバージョンが 8.3.6 から 9.0.5 へバージョンアップしました. 
 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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著者: Satoshi Takemoto Satoshi Takemoto

Created: 2017-03-26 日 18:45

Emacs 25.1.1 (Org mode 9.0.5)

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