【神秘学(2)】 人間の本質

目次

1 はじめに

1.1 関連記事

第1回 :死後の世界を語る上で大事な人間がこの現実界に生まれてきた理由と真理について述べた。 
第2回 :人は死ぬとどうなるのか? 魂とは何かについて述べた。 
第3回 :カルマ(業)とは何か?

【人智学(1)】 感覚 :人間が持っている感覚とその機能
【神秘学(1)】:霊学で用いられる諸概念:死から誕生までの霊的諸概念についての概要
 
このホームページで公開を予定している記事を理解するために幾つかの基本的な事柄について、 
今回からシリーズでルドルフ・シュタイナーの人智学・心智学・霊智学・神秘学を連載していきたいと思う。 
 

2 人間の本質

今回は今後、 人智学・心智学・霊智学・神秘学・霊学・霊術 などの話しをしていく上で基本となる人間の本質について記す。 
なお、前回概説した「感覚」とここで述べる「感覚」の用語は同一のものである。 

超感覚的な認識から人間を考察 しようとするなら、この認識の常道に従って、先ず 人間本性の「開示された秘密」 に眼を向けなければならない。 
感覚の働きや、その感覚に支えられた悟性の働きにとっては、肉体だけが考察の対象になるが、これは超感覚的認識の立場から言えば、人間本性の単なる一部分にすぎない。 
 
ルドルフ・シュタイナー. (2017). 神秘学概論 筑摩書房.

 

2.1 注目すべきこと

  • 「肉体」 という概念に光を当てるためには、大きな謎となって 人生全体 を蓋っている 「死」の現象 に注目すること。 
  • 常に死の状態 にある 「生命のない自然」 、つまり 「鉱物界」 にも注目しなければいけない。 

 
☆人間の物質体とは、人間が鉱物界と共有する部分のこと。  
☆これに反して、人間を鉱物から区別するところのものは、肉体以外の人間本性である。  
☆特に重要なことは、人間が死ぬと人間本性が鉱物界と同じ在り方を示すことである。   
 

死体とは、鉱物界での諸経過に委ねられた人体部分のこと である。 
人間本性の 肉体部分 には、 鉱物界におけるのと同じ素材の力が働いている が、 死に至らなければ、肉体が崩壊することはない。  
肉体には鉱物界におけるのと同じ力が働いているのに、 その力は生きている間、より高次の目的に仕えている。  
死が生じたときになってはじめてその働きは鉱物界の働きになる。  
肉体の素材の力とは 、そのとき、 肉体の形態を解体させるが、それは自らの本性に従った働き なのである。 

 
☆人間の開示された部分と隠された部分を区別することである。  
 
生きている間は、隠されている鉱物の力に対して抵抗している のである。この 抵抗を止めれば鉱物本来の力だけが作用する のである。 
これが 超感覚的な事象を考察するときのはじまり である。 
 

2.2 超感覚的事象を観察する

観察できないことを含めて考察することが大事である。  
高次の人間本性とは何か? 
人間本性の第一は物理的身体(肉体)である。 
ここでは、人間の本性の第二はエーテル体・第三はアストラル体であり、第四は自我である。これいついて以下に述べる。 
 

2.2.1 第二の本性・エーテル体(生命力)とは何か?

高次の現象の一つとしてエーテル体(生命力)を考察するにあたり、 死の現象 に眼を向ける。 
 

  • 人間が生き続けている間、肉体の中では崩壊に抵抗している、隠された働きを観察できるのは、 高次の直感力 のみである。 
  • 開示されたものだけしか対象化できない通常の判断力もまた、隠されたものをその諸作用の中にはっきりと見てとれる。 
  • 諸作用は、人間が生きている限り鉱物の素材と力が生み出す形態の中に現れるのである。 
  • この形態は、肉体が死に至ると失われる。 
  • その後、生命の無い鉱物界の一部になる。 
  • 生きている間、物質の素材と力に肉体を崩壊させないように働きかけているのが「エーテル体(生命の力)」である。  
  • エーテル体はアストラル体の働きによって目覚める。  
  • エーテル体は植物と共有する。

 
エーテル体は肉体のいたるところに浸透しており、 身体器官のすべてはエーテル体の流れと動きによって維持されている。  
例えば、心臓は「エーテル心臓」、脳は「エーテル脳」というように。 
 

2.2.2 第三の本性・アストラル体(魂の力)とは何か?

エーテル体よりも さらに高次の人間本性 を考察する。エーテル体を考察するために死の現象に眼を向けたのと同様に、ここでは 眠りの現象 に着目する。 
 

  • 人間のすべての創造活動は覚醒時に行われる。 
  • 消耗した力を復活させるために、その都度繰り返し睡眠からその力を補充する。 
  • 睡眠中は行動しない。 
  • 思考活動も行わない。 
  • 睡眠中は、すべての苦しみ・悲しみ・楽しみも、意識から消えている。              
  • 眼が醒めると、意識の力が再び現れる。 
  • 眠るときと目が覚めて(没意状態)再び現れる意識は同じ意識である。 
  • 没意状態から意識を目覚めるのは、超感覚的な意識の意味では、第三の人間本性と言える。  
  • アストラル体は動物と共有し、肉体は鉱物と共有する。  

 

2.2.3 第四の本性・自我とは何か?

  • 第四の人間の本性は開示された周囲の世界と何かを共有していない。  
  • 人間を他の自然存在から区別するものである。 
  • 人間は万物の霊長である。 
  • 覚醒時にアストラル体と区別される。  
  • 別の本性の働きを受けている。  
  • 覚醒時、現れては消える体験だけでなく、持続的な体験をもつ。  
  • 人間の欲望や願望の誘因を体内外にも見出すことができない場合が生じる。 
  • *それは、超感覚的な認識の意味で人間の「自我」の中に見出すことができる。* 
  • 故に、自我は第四の人間本性なのである。  
  • 感情の持続を体験するものが自我である。  

 
エーテル体がもはや保持しえなくなった肉体は崩壊する。アストラル体が明るく照らされないエーテル体は、没意識状態の中に溶け込む。 
そして、自我が過去を現在の中に取り込むので無ければ、アストラル体だけでは過去はその都度、忘却の中に沈まなければならない。 
肉体にとっての死、エーテル体にとっての眠りは、アストラル体にとっての忘却に対応する。 * 
*エーテル体にとっては、生命が固有のものであり、アストラル体にとっては意識が固有のものであり、自我にとっては想起が固有のものである。
 
 

2.2.4

  1. 悟性魂
    • 自我が対象を意識するだけでなく、さらにその意識に働きかけを行うとき、自我の本性は一段高次の階段を上がる。 
    • 自我は知覚の対象からますます離れて、自分の所有しているものの中で働くようになる。 
    • それができるのが、 悟性魂 、あるいは、 心情魂 と呼ばれるものである。 

     

    • 感覚魂も悟性魂も感覚的に知覚された対象の印象を受け、それを記憶に保持する が、その時の魂は、自分の外なるものに完全に帰依している。 
    • 記憶を通して自らの所有物にしたものも魂は外から受け取ったのである。 
    • *魂はすべてを超えることができる。* 
    • さらに魂は感覚魂と悟性魂だけではなく、超感覚的な直感によりさらなる魂の行為を知ることができる。  

     

  2. 意識魂
    • 人間は自らの内に神的なものを見出すことができる。 
    • この神的なものをとおして魂の第三分肢を獲得する。 
    • アストラル体をとおして外的な意識を獲得するように自我という自らの中の神的なものを通して、自分自身についての内的な意識を獲得する。  
    • これを 意識魂 と呼ぶ。 

     
    魂は、 感覚魂・悟性魂・意識魂の三分肢から成り立つ。  
     

    • 意識魂の中で「私」を開示する力は、すべての外界の中に働く力と同じものである。 
    • その力は、体と低次の魂的部分の中では直接現れない。 
    • 段階的にその働きの結果だけが現れる。
    • その力とは、肉体の中で最も低次の現れ方をする。 
    • 次いで段階を進み悟性魂を作り出すところまで至る。 
    • 一段上がるごとに一つ一つが明らかになっていく。 

     

2.2.5

人間がすべての現象の中に霊をみようとするならば、意識魂の中に「私」を見るのと同じやり方で見なければならない。 
*現象世界に向き合うことにより人間は、存在の高次の階段へ発展する。* 
 

  1. 霊の第一の本性・霊我
    • 人間はアストラル体にまで自己の働きかけを拡大することができる。 
    • *自我がアストラル体を支配し、自らをアストラル体の隠された本性とひとつに結びつけるのである。* 
    • 自我に支配され変化させられたアストラル体は「霊我」と呼ばれる。マナスと同じ意味である。  
    1. 人間の基本性格
      • 人間の基本性格は、一生を通じて持続しており、ただ事情に応じて特定の側面を表すと考えるのは一般的な考え方。 
      • 人間の性格や気質も自我の在り方次第で変化する。  
      • 性格や気質の変化を生じさせる働きは、エーテル体の領域に属していて、生命の領域を支配している成長力、消化力、生殖力と同質のものである。  

       

  2. 霊の第二の本性・生命霊
    • 「生命体」における同一の働きがそこにも作用している。 
    • この働きが生命体として現れるときには、その働きの中に人間の自我は加わっていない。 
    • 生命霊として現れるときには、自我の活動に貫かれている。 

     
    ☆人間の知性の進化、感情と意思の浄化、高貴化はアストラル体を霊我になで変化させる過程のことである。 
     

  3. 霊の第三の本性・霊人

    霊人 は、肉体の対極である。「アートマ」と同じ意味。 
    超感覚的認識をとおして霊人の存在を知ることができる。  
     

3 人間とは

  • アストラル体と感覚魂をひとつにまとめ、  
  • 同様に意識魂と霊我をひとつにまとめ、  
  • 悟性魂を「自我」そのものと捉える(悟性魂は「自我」の一部)  

 

3.1 人間を7つに区分する

  • (1)肉体 
  • (2)エーテル体 
  • (3)アストラル体 
  • (4)自我 
  • (5)霊我 
  • (6)生命霊 
  • (7)霊人 

 
ここまで述べてきたとおり、人間は上述したとおり、7つに区分することができ、さらにそれは厳密に区別されているのである。 
それを肉体だけの視点で見ている限り気付くことはできない。 
 

4 参考文献

ルドルフ・シュタイナー. (2016). 人智学・心智学・霊智学 筑摩書房.
ルドルフ・シュタイナー. (2017). 神秘学概論 筑摩書房.

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このホームページは、うつ病の精神治療法を研究するための私自身のためのサイトです。私自身が覚えることが苦手、且つ、忘れっぽい性分なので備忘録として主に以下の内容のものを扱っています。どこにいてもこのホームページを閲覧することができるようにという目的でこのホームページを作りました。
 
 
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著者: Satoshi Takemoto Satoshi Takemoto

Created: 2018-09-11 Tue 16:10

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