トランスパーソナル と アントロポゾフィー (6)

目次

1 はじめに

ここでは、上記の記事を踏まえ、「スピリチュアル ヒーリング」 についてメモしておきたいと思う.

1.1 はじめに

スピリチュアル ヒーリングとは何か?その用語の意味を明らかにすること、そして、スピリチュアル ヒーリングに於けるそのパワーの源泉は何かを幾つかの文献や論文を紹介する
と共にスピリチュアル ヒーリングについてメモとしてまとめておきたい.

2 概要

2.1 スピリチュアル ヒーリングとは何か?

はじめにスピリチュアル ヒーリングという言葉が意味するものは何か?この点を明らかにしておきたいと思う.
Cambridge Dictionary では以下のような意味として定義されている.

参考:スピリチュアルとは

the activity of making a person healthy without using medicines or other physical methods, sometimes as part of a religious ceremony:

Spiritual healing has an ancient pedigree, with much evidence of success.

Cambridge Dictionary

つまり、薬物、または、他の物理的手段に拠らず、時には宗教的儀式の一環として人を健康にさせる方法。
例えば、病気や怪我の場合、一般的には薬や医師による治療が行われるが、そういう手段を使わずに健康に戻すことをスピリチュアル ヒーリングと言う.
霊的治療の第一人者として世界的に有名なハリー・エドワーズは次のように述べている.

私はまず、霊的治療を裏付ける公式を確立し、病気の人が人間の物理的、霊的成り立ち(構造)についてよく知ることによって利益を得るような、治療の
プロセスを示すことが必要だと思っています.

(中略)

今のところは、人間自身は道具にすぎず、治療能力を持ちません(患者との親和力によって発揮される力の場合を除き)し、また治療を可能にする人間的
テクニックといったものは存在しないと大雑把に言っておけば十分でしょう.治療能力は肉体的技術や学問のように、学習によって伸ばすことができます.
治療の能力は免状や叙階や白衣を身に着けることによって与えられるものではありません.それは能力を持った人が、このよき力の知的管理者である霊と
波長を合わせることによってはじめて機能するものであり、その霊とは、霊界における神の治療伝導者としての霊人なのです.

ハリー・エドワーズ, 霊的治療の解明,

物理的、霊的成り立ちを知り治療のプロセスを明確に示すことが大事なことであるとハリー・エドワーズは述べているが、この点についてはルドルフ・シュタイナーも同様であり、ルドルフ・シュタイナーは明確に物理的、霊的成り立ちを示し、さらに病気のプロセスも示している.これについては、既に以下の記事で述べている.

2.2 霊的治療能力

では、ハリーエドワーズの言うところの霊的治療能力とは何か?
ハリーエドワーズは「今のところは、人間は道具にすぎず、治療能力をもちません・・・」と言っているが、これについては「ヒーリング」の意味を考えると必ずしもそうとは言えないのではないかと考える.その理由として、古代からヒーリングと呼ばれるものは存在し、それは人間だけでなく動物にもその能力は生まれつき備わっていたものであり人間だけが特別な存在ではなかったはずである.本来人間にも持ち合わせていた霊的治療能力が科学や文明の発達により失われつつあるのではないか.

2.2.1 霊的治療能力の違い

ただし、現代に於いて霊的治療能力を持つ者とそうでない者がいることは事実であり両者に生じるその違いは何か? また、霊的治療能力と一口に言ってもその能力の違いもある.例えば、手かざしによるヒーリングを行う者もいれば、外科手術的ヒーリング(所謂、心霊手術)を行う者もいる.あるいは、ソマティック・ヒーリング(体細胞療法)を行う者もいる.さらに、自分自身の「氣」 を使う気孔というのもある.
これらのヒーリングに共通するキーワードとして「トランスパーソナル」、「霊的」、「瞑想」などのキーワードが挙げられるが、では「瞑想」によって霊的治療能力の違いがあるのか、あるいは、「トランスパーソナル」による違いが結果として霊的治療能力の違いを生むのか?

2.2.2 霊的能力

一つ言えることは、ルドルフ・シュタイナー が言うところの「感覚」が霊的治療能力の違いに現れているのかもしれない.
一般的に五感と呼ばれる感覚は大きく分けると、体性感覚、内臓感覚、特殊感覚の3つに分けられる.体性感覚はさらに皮膚感覚、深部感覚に分類され、内臓感覚は内臓感覚と臓器感覚に分類される.そして、特殊感覚と呼ばれる感覚は、味覚、嗅覚、前底覚、聴覚、視覚に分類される.これらの感覚は誰にでも持っている感覚である.詳細は、以下のリンクを参照.

参考:感覚

これらの感覚(五感)以外に存在する感覚として、概念感覚、霊視感覚、霊聴感覚、霊的合一感覚の4つの感覚がある.
それぞれの意味については、人智学的感覚論 を参照.
つまり、これら4つの感覚の発達の違いが霊的治療能力の差として現れるものと考えられる.

2.2.3 霊的能力の発達

2.2.3.1 キーワード

上述した概念感覚、霊視感覚、霊聴感覚、霊的合一感覚の4つの感覚の発達の違いが霊的治療能力の差として現れるとすると、発達を阻害している要因には何があるのだろうか?考えられるキーワードを挙げると以下があるのかもしれない.

  • 感性
  • 自我

  • 神・仏
  • 前世
  • 細胞・DNA
  • こころ

2.2.3.2 遺伝子のオン・オフとの関係

これらのキーワードの一つではなくすべてにおいて霊的能力の発達に影響していると考えられるのではないかと思う.
例えば、村上和夫先生が研究されている「思いが遺伝子の働き(オン・オフ)を変える」では、笑いや感動が遺伝子をオンにすることにより糖尿病患者の食後血糖値の上昇を抑えたという実験の論文は世界に紹介され世界各地で反響を受けた.このことは、ポジティブなストレスはよい遺伝子のスイッチをオンにすることが検証されたのである.つまり、細胞やDNAに良い影響を与えることにより人間の眠っていた遺伝子が活性化されよい影響を与える.このように普段我々は遺伝子というものを意識することはないが、村上和夫先生の研究によれば、悪い影響を与えている遺伝子をオフにし、よい影響を与える遺伝子をオンにすることによって自身の身体を変えることができるという.

このことは、心理学的側面から言えば感性や感情を豊かにすることにより研ぎ澄まされた感覚を身につけること、あるいは、瞑想によってこころを穏やかにすることにより霊的能力を発揮することは、遺伝子のオン・オフにも関連しているのかもしれない.

さらに、その遺伝子のオン・オフが霊的能力と言われているものなのかもしれない.
概念感覚、霊視感覚、霊聴感覚、霊的合一感覚と言われる感覚そのものが特別な感覚ではなく、ただ単にオン・オフするだけでその能力を発揮できるものなのかもしれない.一方、瞑想による覚醒を経てヒーリングを行うトランスパーソナル・セラピーに於いては、個体内コミュニケーションが重要であり、そのコミュニケーションそのものが覚醒体験である.その覚醒体験における個体内コミュニケーションと遺伝子のオン・オフとの関係、さらにはヒーリングに於けるパワーそのものももしかしたら人間が持っている能力の一つとしてオン・オフが可能なのかもしれない.

2.2.3.3 神や霊術との関係
  1. 霊学

    霊学に於いては、霊的治療能力は修行により身につけるものとされており、その基本となるのが呼吸法である.呼吸法には大きく分けると以下の5つの方法に分類される.

    • 深息法 邪気を吐き出し生氣を吸う最上の呼吸法  
    • 行氣法 行氣法にはさらに8種類の呼吸法がある.
    • 強息法 体力増強を図る呼吸法.
    • 胎息法 胎児の行う呼吸法.
    • 数息法 呼吸を整え精神統一を図る呼吸法.

    霊術において呼吸法は基本中の基本であり呼吸法をマスターした後に観念法、気合法、観想法、伝想法、霊動法、交霊法、鎮魂法、遠隔法、浄霊法などをマスターする.これらの過程の中で治療論を学ぶことになるが、霊術に於ける実際の治療は所定の手続きにより霊医に治療を依頼し、自分自身はそのエネルギーを伝達する媒体となるのである.
     

  2. 霊術

    霊術、療術、心霊系霊術、精神療法などと呼ばれている民間療法は古くからあるが、ここでは霊術、心霊系霊術について概要を説明する.
    日本における霊術の基本的な考え方は、物理的身体・こころ(魂・精神)・霊的身体 の3つを取り扱うのが日本古来の霊術である.
    霊術の文献や記録として残っているものは比較的近代のものが多いが、霊術を研究する学問として霊学という観点から研究を重ねて実証実験を繰り返してきたのが松本道別であったり岡田茂吉である.特に松本道別は、霊術を体系化し理論的な裏づけを行った.

    詳しくは ヒーリングとその歴史 を参照.


  3. 霊学では神・霊・魂など我々の眼に見えないものを対象にすることが多い.そして、それらの用語の意味を理解しようとするとさらに難しい話しになってしまうことがある.しかし、上述した、村上和夫先生の仮説に基づく「遺伝子のオン・オフ」が霊的作用を促す実態であるとするならば、細胞や神経はその遺伝子が持つ情報によって制御されることになる.この遺伝子こそが「内なる神」そのものなのかもしれない.

3 ヒーリングパワー

スピリチュアル ヒーリングに於けるヒーリングパワーの発生源はどこにあるのだろうか?
この疑問は多くの研究者の間でも以前より興味深いテーマの一つとして研究が続いている.それらの研究テーマの中から興味深い幾つかの論文を紹介する.

3.1 関連する論文

Author Year Title Journal  
木戸眞美 2002 遠隔ヒーリング効果の測定 国際生命情報科学会誌  
木戸眞美 2006 レイキなどによる遠隔ヒーリング効果の人体計測 国際生命情報科学会誌  
小久保秀之 2007 ヒーラー特性およびヒーリング手法の検討 -バイオフォトンによる非接触ヒーリングの研究- 超心理学研究  
尾崎真奈美 2007 心身時空を超越したスピリチュアル・ヒーリングと、メタレベルとしてのスピリチュアル・ヘルス トランスパーソナル学研究  
小久保秀之 2009 非接触ヒーリングの方法とヒーリングパワー 国際生命情報科学会誌  
Michael H. Torosian 2004 Spirituality and healing    
小久保秀之 2011 人体近傍のヒーリングパワーのポテンシャル分布 人体科学20-(1)  
小久保秀之  2012 蛍光測定によるヒーリングパワーの測定  国際生命情報科学会誌  
         

ヒーリングに於けるパワーとその定量測定に関する研究の中で様々な測定法がある中で、最近の研究結果ではヒーリングの技法やパワーの種類の違いなど、平ーによる違いは同一種類の物理現象として取り扱える可能性があるという.例えば、気孔や手かざしなど技法は異なるがそのパワーの源泉となっている物理的な現象は同じ種類のものであるという.

3.2 ハリーエドワーズの見解

ハリーエドワーズはヒーリングパワーについて次のように言っています.

治療エネルギーの適用や性質についてはもっとはっきり納得するためには、私の身体を構成している原子の一つ一つが完璧に組織されたエネルギー機構であり、それを支配する法則はその気孔の個体性を維持するのみならず他の原子との混交を可能にし、また原子間には相互受容性があるということを銘記しておく必要があります.原子構造の研究はこの事実を明らかにします.ある形態のエネルギーは他の形態のエネルギーと結びつきますので、違った結果が生じます.それゆえ治癒は病状にあったそれぞれ特殊なエネルギーの正確な適用から生ずるもので、それによって良好な変化が導き出せるのです.

3.3 光の物質変化による見解

生命エネルギーが、身体に光凍結のように存在しているというお話しをしました.もう一つ、光の物質変化という現象があります.文字どおり光が物質に変化するのです.

私たちの住んでいる宇宙で一番強い光は何でしょうか?
今までに見つかっているのは、ガンマ線バーストと呼ばれるものです.これは宇宙最大の爆発現象で、現在までに発見されている最も高いエネルギーをもつ光です.そのエネルギーは

\begin{eqnarray} & 10^14 [eV] \end{eqnarray}

です.
それより高いエネルギーの光はないのでしょうか?
例えば、私たちの身体を考えて見ましょう.体重が50Kgとすると、エネルギーは、

\begin{eqnarray} & E=mc^2 \end{eqnarray}

から、

\begin{eqnarray} & 10^31 [eV] \end{eqnarray}

となるのです.宇宙最強の光よりはるかに大きいですね!

でも実際にはそれができません.なぜでしょうか.
実は私たちの宇宙はそんな大きなエネルギーをもつ光は、光のままでいることができないのです.あまりに大きなエネルギーのために、その光は物質に変換してしまうのです.

ポール・ディラクが、この光の物質化現象を理論的に予言しました.光が電子と陽電子になるという仮説を導き出したのです.そしてカール・アンダーソンが実験で、陽電子を実際に発見し、光の物質化を証明したのです.二人ともノーベル物理学賞を受賞しました.

1996年にはヨーロッパ素粒子物理学研究所で、光から水素原子と反水素原子を生み出すことに成功しています.身体の約70%は水からできていますが、水分子は水素原子二個と酸素原子一個からできています.また、身体のDNAやたんぱく質も、多数の水素原子が含まれています.つまり、光から人間の身体の一部の原子を作り出すことが可能になったのです.

逆に、ある程度なら物質を光に変換させることができます.この原理を発見したのは、アインシュタインです.この原理を利用しているのが原子炉です.さらに、私たちの命の源となっている太陽もそうなのです.ウランや水素の原子がぶつかって、一部の物質が光に変るのです.そこから大きなエネルギーが生まれて、私たちはそれを利用しているのです.

奥 健夫,意識情報エネルギー医学

3.4 光の変化によるヒーリングパワーの強弱

これは私が普段日常的にヒーリングを行っている立場から感じていることをここにメモとして記録しておく.
自分自身の身体が弱っているとき、例えば風邪、頭痛、ストレスなどによって自分自身の体調が思わしくないときにヒーリングを行っても良好な結果はでない.また、疲労などによっても同じであった.逆に、ストレスや疲労が蓄積された状況にあっても光を受けることによってヒーリングパワーが増強された.さらに、大地に素足になって光を浴びるとヒーリングパワーはさらに増強され自分自身が驚いた.

このような体験はヒーラーであれば誰もが経験している.これを世間では波動エネルギーとかいろいろな名称で呼んでいるようである.しかし、間違いなく言えることは人間の身体は光エネルギーにより生命が維持されているということである.

4 関連記事

5 参考文献

  • 梶原直美, 「スピリチュアル」の意味-聖書テキストの考察による一試論-. 川崎医療福祉学会誌, Vol. 24 No. 1 2014 11-20.
  • 中村雅彦・長瀬雅子,スピリチュアルな癒しに関するトランスパーソナル・パラダイムの 展望-癒し、医療、スピリチュアリティの相互関係 愛媛大学教育学部紀要, 第51巻 第1号 83~93 2004.
    Perspectives of transpersonal paradigm on the spiritual healing: Mutual relationships among healing, medicine, and spirituality. (英語)
  • 石川勇一, 心理療法の根本原則と霊性 ― スピリット・センタード・セラピーと伝承療法
  • 松本道別, (2017). 霊学講座 八幡書店
  • ルドルフ・シュタイナー. (2016). 人智学・心智学・霊智学 筑摩書房.
  • ルドルフ・シュタイナー. (2017). 神秘学概論 筑摩書房.
  • ルドルフ・シュタイナー, (2014). 病気と治療 イザラ書房
  • ルドルフ・シュタイナー, (2017). シュタイナーのアントロポゾフィー医学入門 (社)日本アントロポゾフィー医学の医師会.
  • ルドルフ・シュタイナー, (2016). 秘されたる人体生理. イザラ書房

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