変形性股関節症(1回の施術で完治した例)

1 はじめに

2017年7月22日。場所は熊本県上益城郡益城町の仮設住宅でボランティア活動(施術)をしていた時の話し。
午後1時頃になって一人の女性がやってきた。

本日最初のお客様(女性・50代)の症状は、変形性股関節症、臼外形成不全、変形性膝関節症の3つの障害を長年患っており、県内の病院に長年通院されているが、医師からは手術をするようすすめられており、あとは本人の決断のみとのことであると言う。二次性股関節症の進行期の症状に該当すると思われる.
ヒアリングで話しを聞くと、初期はこんなに酷い状態ではなく、次第に症状が重くなっていったと言う。

2 変形性股関節症とは

変形性股関節症は、関節軟骨の変性・磨耗により関節の破壊が生じ、これに対する反応性の骨増殖を特徴とする疾患で、原疾患が明らかでない一次性股関節症と、何らかの疾患に続発する二次性股関節症に分類できる。

一次性股関節症の頻度は日本では15%前後とされ、二次性股関節症が全股関節症の約80%を閉めており、その原因には多くのものがあるとされている。ここでは主に二次性股関節症について扱う。

2.1 変形性股関節症の原因

疾患名称 原因 原因の詳細
A 一次性股関節症 特発性
B 二次性股関節症 1)先天性疾患 ・発育性股関節形成不全
・臼外形成不全
2)炎症性疾患 ・化膿性庫関節炎
・股関節結核
3)外傷 ・大腿骨頚部骨折
・股関節脱臼骨折
・骨盤骨折
4)Perthes病
5)大腿骨頭すべり症
6)大腿骨頭壊死症
7)関節リウマチ
8)強直性脊髄炎
9)神経病性関節炎
10)その他の疾患 ・内分泌疾患
・代謝性疾患
・骨系統疾患

3 臨床症状

3.1 進行期の2次股関節症

歩行時痛と可動域の制限を主訴とする例.
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3.2 疼痛

疼痛は主に以下の部位に起こる場合が多い。

  • 大腿部
  • 臀部
  • 背腰

3.3 鑑別

  • 下位腰椎疾患に起因する背腰痛、坐骨神経痛に起因する痛みとの鑑別が重要。
  • 股関節痛の初期症状は、痛みは長期歩行後や運動開始時の痛みとして現れ、病状が進行するについれて持続性となり、安静時痛や夜間痛が出現する。

4 可動域制限

初期症状は、可動域制限は顕著に現れないが、進行するにつれて制限が出現する。特に、内旋、外転、屈曲、伸展の制限が現れる。Thomas テストを用いることにより判明する。

5 異常歩行

変形股関節症では、以下のような異常歩行が見られることがある。

  • 疼痛回避歩行
  • 硬性墜下性歩行
  • 軟性墜下性歩行
  • Trendelenburg 歩行
  • Duchenne 歩行

6 疾患の状況

  • 住居 上益城群益城町在住
  • 性別 女性
  • 年齢 50代
  • 痛み 歩行困難
  • 発症 2年前頃
  • 制限 歩行困難、正座が出来ない、外出が出来なくなってきた

7 施術内容

施術は以下の内容を行った.

7.1 前処理

  • 長尾ヒーリングにより胃を元の正しい位置に戻す
  • 血流改善
  • 骨盤調整
  • 筋 筋膜リリース
  • Thomas テスト
  • 脚長差の確認テスト
  • 歩行確認、立位、座位の姿勢確認

7.2 後処理

  • 関節調整法による股関節の調整
  • 関節調整法による膝関節の調整

8 施術後の状況

施術後、以下の確認を行った.

8.1 股関節・膝関節の確認

→ スムーズに座位から立ち上がることが出来るようになった.

→ 正座による違和感の確認がないことを確認した.正座が出来るようになった.

→ 左膝の機能を確認し、痛みが無いことを確認した.

8.2 歩行の確認

→ 成人女性の歩幅で普通に歩行が可能となった.

→ もも上げ時の痛みもなく軽快な動作が出来るようになった.

8.3 立った姿勢から座ってみる

→ 立位から座位への違和感、痛みが無いことを確認した.

→ 立位から正座の姿勢を取る場合でも違和感、痛みが無いことを確認した.

4)座った姿勢から立ち上がり歩いてみる

→ 座った姿勢から立ち上がる際の違和感、痛みが無いことを確認した.

8.4 その他

→ 猫背の調整を行った.

→ 両腕共に一直線に伸ばすことが出来るようになった.

9 結論

長尾ヒーリングと関節調整法により、これまで長年に渡り制限を受けていた股関節、膝関節の痛みが消失し、機能の回復が図られた.これにより、日常生活での制限が無くなった.
1ヶ月程度、日常的に軽く歩行を行うことや、これまでの制限された動作を改める様、生活改善することをすすめた.

10 考察

長期に渡り変形股関節症に苦しみ、日常生活にも支障を来たしていた. 医師からは手術以外に無いとまで言われた.

しかし、ほんの僅か30分程度の施術により、制限が解除され自由に歩行が出来るようになり、また、正座も出来るようになったことは驚きである.

私たち人間の身体には医学では計り知れない未知なるものが存在し、その源泉となっているのが、自然治癒力ではないかと思った.

11 参考文献

内田淳正(監修)(2011). 標準整形外科学. 医学書院.
ジョセフ J. シプリアーノ, 斉藤明義(監訳). (2016). 整形外科テスト法(増補改定新版). 医道の日本社.