【人智学(2)】 病気と治療
目次
1 はじめに
1.1 関連記事
第1回 :死後の世界を語る上で大事な人間がこの現実界に生まれてきた理由と真理について述べた。
第2回 :人は死ぬとどうなるのか? 魂とは何かについて述べた。
第3回 :カルマ(業)とは何か?
【人智学(1)】 感覚 :人間が持っている感覚とその機能
【神秘学(1)】霊学で用いられる諸概念 :死から誕生までの霊的諸概念についての概要
【神秘学(2)】人間の本質 :人間本性「開示された秘密」に眼を向ける
今後このホームページで公開を予定している記事を理解するために幾つかの基本的な事柄について、
シリーズでルドルフ・シュタイナーの人智学・心智学・霊智学・神秘学を連載していきたいと思う。
2 病気と治療
「病気」 とは何か?
一般的な国語辞典には以下の記述がある。
<病気>
① 肉体の生理的なはたらき、あるいは精神のはたらきに異常が起こり、不快や苦痛・悩みを感じ、通常の生活を営みにくくなる状態。 やまい。疾病。 「 -になる」
② (比喩的に)悪いくせをいう。 「例の-がはじまる」
では、 健康 の意味を同様に調べてみると、
<健康>
① 体や心がすこやかで、悪いところのない・こと(さま)。 医学では単に病気や虚弱でないというだけでなく、肉体的・精神的・社会的に調和のとれた良い状態にあることをいう。
② 異常があるかないかという点からみた、体の状態。 「 -を害する」 「 -に気をつける」 〔明治期に health の訳語としてつくられた語〕
上記のとおり、病気と健康の意味を調べると、
- 病気は「肉体の生理的なはたらき、あるいは精神のはたらきに異常が起こり・・・」
- 健康は「体や心がすこやかで、わるところがない・こと(さま)。・・・」
上記の意味は、 病気は、生理的な異常や精神の異常 であり、 健康は体や心に異常が無く丈夫である と言うことになるが、体や心に異常が無ければ病気ではないということになるが、
本当に体と心の異常が病気なのだろうか? 勿論、そのような病気もあるだろうが・・・。
では、病気と治癒の間の違いはなんだろうか?
ここでは、最初に病気の本質を述べ、その後に治療の本質について記す。
2.1 病気の本質
【神秘学(2)】人間の本質 のところで書いたとおり、人間は (1)肉体・(2)エーテル体・(3)アストラル体・(4)自我・(5)霊我・(6)生命霊・(7)霊人 の7つから構成
されている。このことを前提として以下に記す。
どのような病気も内的な人間と外的な人間との間の不調和、境界超過により病気になるのである。
人間は目覚めてから寝るまでの間に意識的にさまざまな体験をするが、以下の事柄が大切である。
- 内的人間と外的人間との調和をどのように取るのか?
- アストラル体がどのように働くのか?
- アストラル体が限界を超えたり無力になることはあるのか?
2.1.1 病気の結末
病気の結末は、はっきりしており 治癒するか死ぬか のどちらかしかない。
では、「治療」とは何かということになる。
2.1.2 病気は内的人間と外的人間の不調和
以上のことから言えることは、 病気の発症は、外的人間と内的人間の不調和が原因で生じる。
物理的身体(肉体)を治療し、内的人間と調和することもあるが、難病や慢性疾患の場合には、自我・アストラル体・エーテル体・物理的身体(肉体)の4つすべてが調和が必要である。
これら4つの関係のうち、 どれか一つが自律しても不調和に繋がる。
さらに、 エーテル体が自律しているときは、アストラル体にも影響 が及んでいるのである。
2.1.3 エーテル体が生命を守る
エーテル体は物理的身体(肉体)の崩壊を防ぐ役割がある。
つまり、エーテル体が弱まると生命そのものに影響を与えるのである。このエーテル体はアストラル体の働きによりエーテル体は機能しているのである。
このエーテル体は、肉体のいたるところに浸透しており、 身体器官のすべてはエーテル体の流れと動きによって維持されているのである。
2.1.4 アストラル体を支配しているのは自我そのもの
自我がアストラル体を支配し、アストラル体の隠された本性とひとつに結びつけており、自我に支配され変化させられたアストラル体を 「霊我」 という。
このことから、 自我が整わなければ霊我もアストラル体も整えられず、アストラル体が不調和を来していれば当然それはエーテル体にも影響を及ぼすのである。
2.1.5 自我の働きが生命力に関係する
肉体にとっての死、エーテル体にとっての眠りは、アストラル体にとっての忘却に対応する。エーテル体にとっては、生命が固有のものであり、アストラル体にとっては意識が固有のものであり、
自我にとっては想起が固有のものである。
これは、次のように言い換えることができる。
物理的身体(肉体) = 生命(エーテル体) + 意識(アストラル体) + 想起(自我)+ (魂 + 霊)
但し、魂と霊はさらに以下のような構成をもつ。
魂 = 感覚魂 + 悟性魂+意識魂
霊 = 霊我 + 生命霊 + 霊人
これらの関係から、 生命が眠りに近づいているとき、且つ、意識が忘却しかかっているときは、物理的身体は死に近づくことが解る。
その 生命を動かすのが意識であるアストラル体や自我 であるから、物理的身体だけに手を加えても根本的には治癒しないのである。
3 参考文献
ルドルフ・シュタイナー. (2014). 病気と治療 イザラ書房.
ルドルフ・シュタイナー. (2016). 人智学・心智学・霊智学 筑摩書房.
ルドルフ・シュタイナー. (2017). 神秘学概論 筑摩書房.
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